『GO TO にっぽん! ~コロナ禍が明けたら一番に見たい風景~』第29弾 「君はエメラルドタイムを知っているか?」(菊間 彰)

四国の西の果てに、その灯台はあります。
四国最西端、日本で一番細長い佐田岬半島のそのまた先に、
佐田岬灯台(さだみさきとうだい)はあります。
四国と九州の間の道標として、その灯台は大正7年より100年以上、
豊後水道を照らし続けてきました。

佐田岬灯台は、1日の間にほんの少しの時間だけ、特別な光を見せてくれます。
日没後、これから夜の帳が降りようというまさにその時、
灯台はエメラルドグリーンの輝きを放つのです。
時間にしてわずか10分間、点灯直後にだけ見られる美しい光。
地元の人々は、その時間を「エメラルドタイム」と呼びます。
1日にたった10分だけの格別な時間。
これは佐田岬灯台に使われている「メタルハライド電球」の特徴なのです。

この佐田岬灯台、岩場に立つ真っ白なその立ち姿はまるで杖をついた弘法大師のよう。
周囲は紺碧の海で絶景です。
しかしこの佐田岬灯台、たいへん美しい灯台ではありますが、なんせ遠い!
私は愛媛県の今治市という、愛媛のほぼ真ん中あたりに住んでいます。
そこから出発しても、なんと灯台まで3時間半もかかるのです。
灯台の位置する佐田岬半島は日本一細長く、およそ50キロもあります。
そして絶景を見下ろす駐車場にようようたどり着いても、
そこから灯台まではさらに徒歩で30分ほどかかります。

まさに選ばれしものだけがたどり着ける聖地!
そのかわりエメラルドタイムの美しさは格別です。
あなたもぜひ、佐田岬灯台に一度足を運んでみませんか?

【エコセン世話人 /  (一社)をかしや /代表理事 菊間 彰】

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