『GO TO にっぽん! ~コロナ禍が明けたら一番に見たい風景~』第11弾 「活火山アトサヌプリと低地の高山植物群落」(萩原 寛暢)

北海道東部にある弟子屈(てしかが)町は、日本最大のカルデラ地形
「屈斜路カルデラ」が囲む地域で、屈斜路湖・摩周湖といったカルデラ湖を有しています。
火山で成り立ったカルデラ地形なので、各所に温泉や地熱があり、
特に活火山であるアトサヌプリ(硫黄山)は、今なおゴウゴウと噴気を上げる姿を
間近で見ることができます。

アトサヌプリとは、アイヌ語で「裸の山」の意味で、火山ガスや酸性土壌の影響で
通常の植物が生育できない状態を表しています。
山麓には、イソツツジ、ハイマツ、ガンコウランといった高山植物が生育し、
標高150mほどの低地にも関わらず高山植物が群落を作るという特異な景観が
広がっています。

また、アトサヌプリのエネルギーは、地下水脈を温め、約2㎞離れた川湯温泉の源と
なっています。強酸性の泉質が知られる温泉で、宿泊はもちろん、日帰り入浴、
温泉街には足湯も整備されています。アトサヌプリに立ち寄った時には、
火山の恵みとしてぜひ一緒に温泉も体感していただきたいものです。

特にお勧めしたいのは6月中旬。イソツツジが満開になる頃には、
一面の白いお花畑が広がります。
アトサヌプリと川湯温泉街をつなぐ「つつじヶ原自然探勝路」を
ゆっくりと散策して景色を楽しんでください。

【エコセン世話人 / てしかが自然学校 萩原 寛暢】
(2021年6月18日配信 メルマガ掲載)

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