『GO TO にっぽん! ~コロナ禍が明けたら一番に見たい風景~』第26弾 「庭先にアマミノクロウサギ~徳之島天城町」(森 高一)
このところ持続可能な観光地域づくりで、あちこち人づくりやコンテンツづくりでうかがうことが増えました。
昨年、世界自然遺産に登録された奄美・徳之島にも昨年来何度か行くことに。
徳之島は、奄美大島の南側。うっそうとした亜熱帯の深い山と森のイメージのある奄美大島とは違い、
徳之島は山と森がありますが、開けた平地が全島に渡り広がる、畜産業とサトウキビ栽培が盛んなところです。
トライアスロンで有名ですが、観光ものんびりとしたもので、地域の時間を楽しめる
すごく貴重な旅先であると確信しています。
アマミノクロウサギと聞けば、ヤンバルクイナやツシマヤマネコらと並びめちゃくちゃ逢いたい生き物の一つでした。
奄美大島ではガイドに連れられて夜森へ向かうナイトツアーに参加しないとなのですが、
今回うかがった天城町の当部集落では、なんと集落内がウサギのふんだらけ、
爪痕の残る通り道があちこちにという場所でした。
これまで個人的にもいろいろな野生動物に出会ってきました。
憧れてきた生き物に遭遇する喜びは皆さんわかりますよね。
生き物や環境の知識って、その喜びを増すためにつけているんじゃないかと思うのです。
ところが、ここ徳之島ではそれをも超越してアマミノクロウサギが普通に集落内に徘徊し、
暮らしの中にありました。
この集落に移り住んだご夫婦の家の庭先には、毎夜のようにアマミノクロウサギがやってきて、
草をはみ(小さな畑も少し被害)、各所にふんを残していきます。
これってとてもすごいことですよ。
ここで森は集落ガイド養成の講習会をさせてもらったのですが、何よりこれからたくさんの訪問者があると思うけど、
集落の皆さんの平穏な暮らしとウサギをはじめここに普通にいる生き物たちが
末永く続く受け入れを準備していこうとお伝えしました。
変にアマミノクロウサギの見れる里などと宣伝され、キャパシティを越える利用がないように。
この価値を共感してもらえる訪問者にも、一緒に育んでもらえるように、願うばかりです。
このコラムを読んでいる皆さんにはこのことを伝えたくて、紹介させていただきました。
まだまだすごいところが、各地にあります。
【エコセン共同代表理事 / 森企画代表 森 高一 】
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