第2回 エコセンミーティング「エコセン世話人のフィールドを訪ねよう・長野編」(「観光地域づくりフォーラムin信州」)
昨年度は沖縄で開催した「エコセンミーティング」を、今年度は11月末に長野県茅野市で開催いたします。
各地で観光地域づくりの方策が模索される中、長野県及び八ヶ岳地域の観光地域づくりに携わる団体・個人の相互交流を図るとともに、全国で活動する日本エコツーリズムセンター(略称エコセン)の世話人・会員との交流や意見交換の機会を提供します。同時に5年間の調査研究を踏まえたサステイナブル・ツーリズムのGSTC国際認証を軸として、持続可能な観光の地域展開について学び、考えあうフォーラムを企画しました。
オプショナル企画として、観光地域づくりのコンセプトで実際に進められている「ちの旅」アクティビティを楽しめます。
また、12月1~3日の日程で引き続きサステイナブル・ツーリズム国際認証GSTCトレーナーによるトレーニングプログラムを行います。⇒詳しくはこちら。
なお、11月29日と30日のプログラムは一般公開しています。エコセン世話人だけでなく、学生さんやエコツーリズムに関心のある方、旅行関係者の方、持続可能な地域づくりをされている方など、どなたでもご参加いただけます。
◎10月18日現在、台風19号により長野県内は北信東信で甚大なる被害が出ており、一部首都圏からの交通も寸断されている現状もありますが、エコセンミーティング開催時には復旧し、スノーシーズンに向けた風評被害対策が求められると予測されます。
ぜひ、エコセンミーティングに参加していただき、長野県の被災地も応援していただければ幸いです。
<開催日> 2019年11月29日(金)~12月1日(日)(29日と30日は一般公開)
<会 場> 車山ハイランドホテル(〒391-0301 長野県茅野市北山3413-27/TEL 0266-68-2116)
(11月29日の宿泊も同ホテル。11月30日の宿泊場所は別です)
<主 催> 観光地域づくりフォーラムin信州実行委員会、NPO法人日本エコツーリズムセンター
<共 催> 一般社団法人長野県観光機構
<参加世話人(随時更新)>
<プログラム>(予定)
11/29(金)記念講演&報告交流会
13:00~
記念講演「観光地域づくり法人と持続可能な観光」
一般社団法人地域観光研究所 代表理事 坂元英俊氏
記念講演「サステイナブル・ツーリズムの地域実践と国際認証の取り組み
~『世界の持続可能な観光地100選』に認定された岩手県釜石市の事例紹介~」
株式会社かまいしDMCリージョナル・コーディネーター 久保竜太氏
15:10~ 信州の観光地域づくりリレートーク予定発表者
19:00~ 大交流会、宿泊
11/30(土)テーマ別分科会
8:30~
分科会①サステイナブル・ツーリズム
分科会②ユニーバーサルツーリズム
分科会③婚活DE地域づくり
分科会④SDGsと教育旅行
分科会⑤持続可能なインバウンド観光とは?
11:00~ まとめの会(昼食含む/観光地域づくりフォーラムはここまで)
13:00~ ちの旅アクティビティ(料金別途)
***一般参加ここまで***
16:30~ エコセン世話人大会議1
19:00~ 世話人・会員交流会、宿泊
12/1(日)
8:00~ エコセン世話人大会議2
~10:00 解散
【記念講演① 坂元英俊氏プロフィール】
農林水産省外郭団体で全国の農村総合整備計画などの策定に携わり、財団法人阿蘇地域振興デザインセンターの事務局長、一般社団法人島原半島観光連盟専務を経て、現職にて観光とツーリズムの融合を図る全国の観光地域づくりにかかわっている。日本エコツーリズムセンター理事、総務省地域力創造アドバイザーなど。
【記念講演② 久保竜太氏プロフィール】
復興事業コーディネーター集団「釜石リージョナル・コーディネーター」の一員として、観光分野で活動。観光計画策定やDMO法人の設立等に携わる。持続可能な観光の国際基準(GSTC)に基づいた観光地マネジメントの取り組みを進めている。2018年に釜石市は「世界の持続可能な観光地 100 選」に釜石市が日本で初めて選定された。
<参加費について>11月29日当日の参加の方のみ、会場でお支払いとなります。
★一般参加者、エコセン会員価格(1泊2日、11/29-11/30)1万5千円(参加費2千円、1泊3食、消費税など含む)
★一般参加者、エコセン会員価格(日帰り、11/29)2千円
●エコセン会員価格(2泊3日、11/29-12/1)2万8千円(参加費2千円、2泊6食、消費税など含む)
<申込先>※申し込みは締め切りました。
★一般申し込み
⇒ちの観光まちづくり推進機構(橋本、喜多、高砂)
電話:0266-78-7631、FAX:0266-78-7310
メール:boshuu@chinotabi.jp
申込内容(以下)を、メールまたは電話、FAXでお送りください。
申込内容:お名前、ご希望の参加日、ご所属、連絡先(電話、メールアドレス)、希望のちの旅アクティビティ
ちの旅アクティビティは、次の6コースよりお選びください。くわしくは、こちらのページで。
「諏訪大社ガイドウォーク」、「日帰り田舎暮らし体験」、「郷土おやつ作り」、「信州のこぎり職人工場体験」、「水の郷(八ヶ岳山麓の里山)まちあるき」、「日本一の産地で学ぶ棒寒天のこだわり」
<問い合わせ先>
★ちの観光まちづくり推進機構(橋本、喜多、高砂)
電話:0266-78-7631、FAX:0266-78-7310
メール:boshuu@chinotabi.jp
●日本エコツーリズムセンター事務局
TEL.03-5834-7966(開設日毎週月・水・金曜、10:00~17:00)
Mail: desk@ecotourismcenter.jp
1日目フォーラムと交流会の様子
2日目の分科会の様子
2日目のまとめの会の様子
ちの旅(「水の郷(八ヶ岳山麓の里山)まちあるき」)の様子
イベントの報告(一部)
記念公演①「観光地域づくり法人と持続可能な観光」坂元英俊氏
観光立国の基本理念は、「住んでよし、訪れてよし」で、観光の原点回帰である。これは、16年前に平成15年4月の観光立国懇談会報告書に記載されている。これまで、観光地域づくりを行なってくる過程で、2つの解釈の仕方がある「①観光地が地域づくりを行なう」と「②今まで観光地として認識されていなかった地域が地域づくりを行ない観光地域になる」で、①は、観光関係者が主体となり、②は、地域住民が主体となる地域づくりによる観光である。観光は、人が集まって来ること、と定義すれば、観光地も地域も人が集まるように食・泊・買う・体験・交流・温泉・連携・滞在などの方法を工夫し、持続可能なように取り組めれば良いと考える。
これらは、観光や農政、商工、自然、景観、交通等が微妙に絡んでくるので、それぞれに行政の縦割り部局を活用しながら、一体的に組み立て、全体性の広報や発信を行う組織体が必要になってくる。これを法人化したものを観光地域づくり法人と位置付けている。
近年では、SDGsを達成する手段としての観光促進を行うGSTCが、国連世界観光機関(UNWTO)により持続可能な観光として進められている。
記念公演②「サステイナブル・ツーリズムの地域実践と国際認証の取り組み
~『世界の持続可能な観光地100選』に認定された岩手県釜石市の事例紹介~」久保竜太氏
釜石市は、グリーンディスティネーションズ(本部:オランダ)による『世界の持続可能な観光地100選(2018 SUSTAINABLE DESTINATIONS TOP 100)』に日本の観光地として初めて選出された。これは、サステイナブル・ツーリズム国際認証(GSTC)を取得するための、第一ステップである。GSTCとは、持続可能な観光地の国際基準であり、これを導入することで継続的な地域のモニタリングと、証拠に基づいた観光政策の策定や計画づくりを可能とする。講演では、釜石市が取り組んでいる「国際基準を用いた現状把握の分析方法と評価内容」について、細かな説明があった。
リレートーク
10か所のDMOとひとつの自然学校から、活動内容について紹介があった。
雪チャリスノーパーク(戸狩温泉星降る☆キャンプ場)やレストランかまくら村(期間限定)など新しい取り組みをしている信州いいやま観光局。観光を切り口に地域振興、地域活性化を目指し教育旅行が充実している南信州観光公社。「1,000メートルの天空リゾート八ヶ岳~澄みきった自分に還る場所~」というコンセプトで、山梨県・長野県をまたいだ八ヶ岳観光圏に人を呼ぼうとしている八ヶ岳ツーリズムマネジメント。オーストラリア人を中心に外国人が年間37万人訪れている白馬村観光局。自然・景観・文化・歴史・産業・技術を生かす観光地域づくりを心掛け、まちなかホテル構想に取り組むこもろ観光局。民間人が司令塔になって行政と協力するツールとしてDMOを活用して「先祖から受けついたものを活かして生活していこう」と、「アルプスの感動を日々の暮らしに」をキャッチコピーに掲げている松本市アルプス山岳郷。昼神温泉に人を呼ぶために「日本一の星空」をブランドに夜のイベントを企画し、大ヒットしている阿智☆昼神観光局。世界中の研究者が注目する木曽のヒノキ林での森林浴を目玉にした上松町観光協会。スタイリッシュなツリードーム(宿泊施設)で多くの人を呼ぶ南信州まつかわ観光まちづくりセンター。地域の魅力的なコンテンツを上手にツアーに仕立て「ちの旅」として提供しているちの観光まちづくり推進機構。26年前から下伊那郡泰阜村で自然学校を運営し、子供キャンプや山村留学などを通して子供たちを育成しているグリーンウッド自然体験教育センター。
多種多様な団体が、地域ごとに工夫を凝らして地域観光を推進している様子がうかがえた。