「エコツアー・ドット・ジェイピー」終了

エコセンが管理運営しているエコツアー・ドット・ジェイピーを6月末に閉鎖することになりました。
これまでのご利用ありがとうございました。以下は管理人・編集人であり、サイト設立者のエコセン副代表理事・山中俊幸からのメッセージです。

 

 

2003年7月1日にオープンさせた日本初の自然と環境のポータルサイト
「エコツアー・ドット・ジェイピー」を2019年6月末に閉鎖することにした。

エコツアー・ドット・ジェイピー
エコツアー・ドット・ジェイピー
 

このサイトは、「子どもも大人も、もっと身近に自然環境に接するようになれば、
地球や他人に対してもっとやさしくなれる」という僕の妄想(笑)から生まれたもの。
自分の会社クールインクは紙媒体をメインの仕事にする編集プロダクションで、
当時、雑誌や企業の広報で「自然を大切にしよう」「環境に関心を持とう」
といった記事づくりに関わることが多かった。
しかしこのような記事を書くたびに、読者の一人ひとりに同意や好感はもってもらえるものの、
自然や環境に留意した具体的な行動をとるまでには至らないというジレンマが絶えずつきまとった。
紙媒体や編集プロダクション(もらい仕事をする業態)の限界を感じ、悶々としていたのだ。
そんなときに出会ったのが「エコツアー」だった。

 

大多数の人が「自然が好き」で、キャンプやハイキング、温泉や野外でのバーベキューにはよく出かけるが、
そこで過ごした自然と個人の生活(日常)が密接に繋がっていて、
自然や環境の破壊は生活を脅かすことになる・・とは切実に思っていない。
切実になれないのはなぜか?
それはたぶん自然の中での遊びの選択肢がキャンプやハイキング、のんびり過ごす・・といった
一般的なものしか思い浮かばないからなのではないか。
感覚的に自然が好きなだけなのではないか? 本当の自然の面白さを知ったり、
遊びの選択肢の幅を広げたりすることができれば、もっと自然が好きになり、
自然や環境を守る行動が自ずとできるようになるのではないか。そう考えたのだ。

 

環境に負荷をかけずに自然を楽しむエコツアーは当時まだ認知されていないジャンルで、
やっとその頃、「エコ」とか「ロハス」のような言葉が注目されはじめたばかりだった。
ならば、ネットで「キャンプ場、山梨」で検索したとき、自然の本当の面白さや仕組み
(と生活の関わり)をガイドが教えてくれるエコツアーや自然体験活動が
一覧できるサイトが出てきたらどうだろう?
「田植えにお金を払ってまで参加する人がいる!?」
「動物の足跡を探して追いかける??」
「木登りを学ぶツリークライミングだと???」
「エコツアーガイドと一緒にハイキング????」
「ゴミ集めが楽しい? 自然保護活動?????」

 

このような遊び方がある、自然との接し方がある、熱意をもって環境保全活動などに
取り組んでいる人たちがいることを大勢の人たちに知ってもらうことが、
エコツアー・ドット・ジェイピーの狙いだった。

 

いま読むと恥ずかしいが、当時のアツい(笑)想いで書いたエコツアー・ドット・ジェイピーの
設立趣旨は以下だ。

  • ごあいさつ
  •  

    エコツアー・ドット・ジェイピーはその後、2007年秋、日本エコツーリズムセンターを広瀬敏通らと設立したときに、
    管理・運営を同センターに移した(とはいえ、管理・運営するのは僕だった)。

     

    "エコツアー・ドット・ジェイピーの情報発信機能をさらに強化するとともに、
    わが国の地域の現場に即した実践的なエコツーリズムの推進を図るために、
    あらたなエコツーリズム推進機関を設立することになりました。
    それが「NPO法人日本エコツーリズムセンター(略称:エコセン)」です。"

  • エコツアー・ドット・ジェイピーをご利用の皆様へ
  •  

    「情報発信機能をさらに強化」と広瀬との連名で書いたが、管理・運営を行う僕が多忙すぎたり、
    自分の会社の倒産危機があったりで、エコツアー・ドット・ジェイピー独自の特集記事は
    なかなか作れず、情報発信機能の強化はできないまま今日まで来てしまった。

     

    この間、インターネットは爆発的に広がり、一般ユーザーの情報リテラシーも急速に高まった。
    しかしながらいまや情報発信の主戦場はfacebookやtwitterなどのSNSやネット上の口コミ、
    youtubeなどの動画で、情報を一箇所に集めて閲覧可能にするポータルサイトは
    時代に取り残されていった。
    身近な友人(お友達)の発信する情報や、ググって出てきた検索上位のもの、
    写真や動画の美しいものだけが「選択肢」となっている。

     

    このような状況からエコツアー・ドット・ジェイピーの情報登録数やサイト訪問者は年々激減。サイトのシステムも16年前に作ったままなので融通が利かず、使いづらいものになっていった。これが閉鎖を決意した理由だ。

     

    思い出に残るエコツアー・ドット・ジェイピーの特集記事はいろいろあるが、
    以下を紹介しておきたい。閉鎖するまでの間に見ていただければ幸いだ。

     

    ●日本からわずか1時間半! ロシア・プリモリエの森、川、島で遊ぶ
    →エコツアー・ドット・ジェイピー開設直後に海外取材の依頼!
    山中本人が行けなかったのが今も悔いに残るw
    http://www.eco-tour.jp/special/russia/russia-01.html
     

    ●風車の国からこんにちは オランダ留学通信
    →オランダの大学院でエコツーリズムを学ぶオーストベルドるりさんのレポート。
    「オランダ留学」のキーワードで検索して見にこられる方がいまでもけっこういる。
    http://www.eco-tour.jp/special/ruri/ruri01.html
     
    →ルーマニアの音楽グループ「O-ZONE」・・マイアヒー、マイアフー、マイアホー、マイアハッハ♪
    を日本で初めて(たぶん)紹介したという快挙のレポートもあった。
    http://www.eco-tour.jp/special/ruri/ruri09.html
     

    ●トルコ地中海地方で遊ぶ
    →日本ではあまり知られていないトルコ地中海地方をオーストベルドるりさんが総力レポート。
    http://www.eco-tour.jp/special/ruri/turkey/top-turkey.html

     

    ●イトヒロの東京不自然図鑑
    →イラストレーターの故イトヒロが東京の中の身近な自然をイラストとともに軽妙なタッチで解説。

  • https://ecocen.jp/ecotourjp/itohiro/itohiro-01n.html
  •  
    →イトヒロの訃報に寄せて

  • https://ecocen.jp/ecotourjp/itohiro/itohiro-000n.html
  •  

    ●自然と環境の読書案内
    →日本エコツーリズムセンターの世話人たちと、エコツアー・ドット・ジェイピーの
    登録メンバーが中心になって選書。
    http://www.eco-tour.jp/specialbooks/

     

    エコツアー・ドット・ジェイピーを利用してくださった皆さま、
    そして関係者の皆さまこれまで本当にありがとうございました。

     

    【エコセン副代表理事 山中俊幸】