『これが日本の自然体験~エコセン世話人が独断で選ぶ日本の自然エリアと体験~』第9弾(萩原 寛暢 )
『屈斜路カルデラ、地熱帯の冬』
北海道弟子屈町(てしかがちょう)の萩原です。
冬至を目前に控え、北海道内では各地で積雪の話題を目にする機会が増えてきます。
時には大雪のニュースを本州でも目にすることもあるかと思いますが
(実際に心配して連絡をくれる方もいますが)、私が住む釧路・根室地方は、
冬はカラッと晴れた日が多く、日本海側の大雪のニュースを他人事のように
見ていることもあるほどに気候が違います。
北海道はでっかいどう!
弟子屈町では、年明けの前後にはそれなりに積雪して一面に白くなりますが、
11月下旬から12月の“寒いけど雪が無い”という季節にお勧めしたいのは「地熱帯めぐり」。
ここは火山で成り立ったカルデラ湖である摩周湖・屈斜路湖を有するエリア。
活火山であるアトサヌプリをはじめ、今もなお各所で地熱が湧いているのです。
樹木は落葉し、草花も無い冬枯れの季節ですが、
地熱帯では地面からの水分供給(湯気)あるためか、コケ類が緑色を保っており、
モノトーンな色彩に慣れてしまったこの時期には目にまぶしく感じます。
地面を触るとほんのり暖かく感じるのはもちろん(場所によっては熱いのでご注意を)、
周囲に積もった落ち葉をそっとよけてみると、
コオロギの仲間のマダラスズが見つかることも。耳を澄ませてみると、
ジージーと単調な鳴き声が聞こえることもあります。
本来は卵で越冬するマダラスズですが、地熱があるために厳冬期でも
成虫でいるという特異な環境なのです。
地熱帯は、手軽に歩いて行ける場所から、山奥まで何か所かあります。
川湯ビジターセンター(https://www.kawayu-eco-museum.com/)で
事前に情報収集をしてから行かれることをお勧めします。
ぜひ暖かな装備を整えて、地熱めぐりをしてみませんか。
【エコセン理事 / てしかが自然学校代表 萩原 寛暢】
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