「サスティナビリティを主張!」シリーズ 第36弾(最終回)(中澤 朋代)

2018年3月よりエコセン10周年を記念して、「地域を元気に」を合言葉に
各地で活動する35名の世話人が、サスティナビリティをテーマにコラムを担当してきました。
数々の文章には、グローバル時代に共通する合理性・経済性への価値認識に人々が縛られる中、
「サスティナビリティ(持続可能性)」という言葉は「今の社会を生きる私」を、
時間的にも、空間的にも広い視野で考えることを助けてくれるように思いました。

 

役割や立場はそれぞれ違う世話人の皆さんが、共通して使ったキーワードをあげてみます。
歴史を重ねた結果としての地域であり、自分であり、それが子孫につながること。
知ること、実感すること。
関係、つなぎ手、担い手、連携すること。
小さなことから、地域から。
手を入れながら、育み、丁寧に。
想い、信念、理念というエネルギー。
異文化や多様性の強さ。
共生、共感、世界に一体感が求められている、とのコメントもありました。
また、各地で暮らす世話人からは、これまで続いた各地域には大小の変化がありながら、
それを受け入れ、変化の波を受け止め、調整してきた先人の知恵や社会の仕組みが
残っていることが報告されました。
エコツアーはそれを実感する楽しさで、参加者を触発しています。

 

地球社会には災害、格差、開発、環境など、さまざまな課題があります。
しかし、こうした各地で継続されてきた営みから私たちが学び、
今の社会を新たに創造する時期に来ているのかもしれません。
足元の大地を踏みしめ、手を取り合い、愉しんで自身の生を全うする。
離れていても世代を超えた仲間がつながっていることは何より心強く、愉快なことです。
「地域を元気に」する人々が、地域と共にこれからも元気でありますように!

 

【エコセン共同代表理事 / 松本大学 中澤 朋代】

 

(2019年8月23日配信 メルマガ掲載)