「サスティナビリティを主張!」シリーズ 第26弾(田中 啓介)
沖縄のうるま市に住んでいます。
と言っても、「あ、あそこだ」とピンと来る方はかなり少ないのでは。
那覇から車で1時間の東海岸、那覇-やんばるを結ぶ西海岸の観光ルートとは反対側とあって、観光としてはまだほとんど知られていません。
でも、未来へのポテンシャルは半端ない。
うるま市には、橋で繋がっている4つの島が存在しています。
この島しょ地域を舞台に、2017年度に延べ13回、島のビジョンを語り合う「しまみらい会議」のファシリテーターを務めさせて頂きました。
こうした地域の方とのワークショップあるあるで「地域住民にとっては当たり前すぎて日常の暮らしや文化の価値に気づいていない」なんて話をよく耳にしますが、ここは全く逆。
島に誇りを持ち、その価値をいかに維持・伝承させていけるかを真剣に語り合う大人たちばかりでした。
「じゃあ子どもたちはどう思っている?」と2018年度に実施した「こどもしまみらい会議」でも、地元の小学生たちが語る未来像にリゾートホテルや商業施設の姿はなく、島の暮らしや自然はそのままに質を高めていきたいという想いにあふれていました。
そう、うるま市のツーリズムを考える際に1番大切な視点は、いかに多くの観光客を呼べるかではなく、こうした地域の皆さんの想いを本当に具現化できるものになり得るかどうかなんですよね。
先日、ツェルマット在住の山田桂一郎さんのお話を沖縄で聴く機会に恵まれました。「sustainable」とは地域の持続的な自立が最重要であり、そのためにも地域住民の幸せと社会の豊かさがリンクしていなければ本物ではないと。
沖縄のみならず日本の観光が今もなお、「何人来た」「いくら売り上げた」といった資本主義的な評価軸が主流になっていますが、ツーリズムと住民の幸福度がきちんと比例関係にあってこそのSustainable Tourism。
幸いにも、とあえて書きますが、従来型の観光という文脈では周回遅れのうるま市だからこそSTにおけるトップランナーになり得ると確信し、沖縄の仲間たちや高山さん・釜石の久保さんとも連携しながら、新しい仕掛けを生み出していきたいと考えています。
【エコセン世話人 / NPO法人沖縄ホールアース研究所理事 田中 啓介(じょりぃ)】
(2019年4月3日配信 メルマガ掲載)


