「サスティナビリティを主張!」シリーズ 第29弾(高野 孝子)
エコプラスの高野孝子です。
1992年からの活動は世界規模ですが、10数年前から新潟県南魚沼市に暮らし、
体験を通した学びの場作りをやっています。
南魚沼では小集落の地域づくりとしての事業にも取り組み、
サステイナブルツーリズムと親和性のある活動を実施しています。
あたり前ですが、「地域」のサステナビリティの複雑さ、真剣さ、奥深さ、難しさを感じます。
私は早稲田大学でも教えています。
「サステナビリティ論」も担当の一つです。
昨年より、世界中(特にヨーロッパ)の10代を中心とする若者たちが
気候変動に対する有効な手立てを訴える、
「クライメート・ストライキ」が大きなうねりとなっています。
特に2019年3月の一斉行動では、世界125カ国で2000のストライキがあり、
160万人を超える子どもたちを中心とした層が街に繰り出したと言われます。
山本良一氏作成のリストによれば、参加者はドイツ30万人、
フランス19.5万人、オーストラリア15万人...と続き、様子を伝える動画は圧倒的です。
100人というのが最も小さい規模で、韓国、ウクライナと並んで日本もそうなっています。
このことを私は「サステナビリティ論」の教室で伝え、100人ほどの履修生たちに、
どうして日本では参加者が少ないと思うか聞いてみました。
(ちなみに教室の6割が参加してもいい、と答えました。)
選択肢からは、
「ストライキという手段に抵抗がある」58%、
「面倒だから」19%、
「やっても無駄」9%でした。
書かれた理由には「社会の目、同調圧力」
「政治的な意見を持っているというレッテルが、人間関係や就活に影響しそう」
「世の中がブラックすぎてストライキするより休みたい」
「教育上、常に受身であり、従順であることが美徳とされているから」
「報われる保証がないものについて、日本人は体力を使わない傾向にある」
「気候変動を深刻に受け止めていない。環境問題に対する意識が弱い」など、
興味深い答えが並びました。
ではそんな我が社会で、どうサステナブルな社会を作っていく、
つまり現状を変えていくのか。
皆さんはどう動きますか?
【エコセン世話人 / (特非)エコプラス代表理事 高野 孝子】
(2019年5月22日配信 メルマガ掲載)