東日本大震災からの教訓 その2(網干理子)
『防災』に依存しない社会『備災』を社会の当たり前に
当センター長は、自身の過去のボランティアの経験やそこから繋がった“人々とのつながり”を切らすことなく
「災害志縁(※当センターでは支援という漢字ではなく志縁という漢字を2011年からあえて使っています)ボランティア」を
全国規模で行っており、その中でも大きく取り上げたいものが、
2024年1月1日に発生した能登半島地震の志縁ボランティアについてです。
当センター長は、地震発生直後から今に至るまで、継続して能登に足を運んでいます。
自身が東日本大震災で被災した経験を、能登に繋げようという強い意志のもと、
現地の方々の力になろうとボランティアを続けています。
学生スタッフである私も2024年10月に、初めて能登の現地に足を運び、
珠洲市内の仮設団地にて炊き出しボランティアを実施しました。
そこで、地元の方々と交流した経験は今でも忘れない大切なものとなっています。
炊き出しを行なった際に、
「震災経験だけでなく豊かな地域の自然や食についても全国の人に発信していきたい」
と語る被災者の方と出会いました。
震災の伝承活動では過去の悲痛な経験が焦点を当てられる中で、自然に親しみ、
実際に体験することによって学び取るという当センターのスタイルが、
今後全国的にも広がっていくことを期待しています。
「お互い様」の精神を、より多くの団体に広げ、
協働連携の輪をさらに広げていきたいと考えています。
阪神・淡路大震災、東日本大震災のボランティアとして30年以上も関わりを持つ神戸や大迫の大人の方々と、
東北で東日本大震災ボランティアを経験した学生が共同で炊き出しを行ったことも
当センター長が「人と人との関わり」を大切にしてきたからこそであると言えます。
また、全国の学校で災害に備えるための「備災」の講話を中心にした命の講演会も
年に数回取り組みとして行っています。
災害への関心が薄れつつある今、改めて東日本大震災について、
そして、能登の現状を語り、「備災」の意識を広めるために、顔の見える関係の中で、
人と人とが助け合いながら、いざという時に1人でも多くの人の命を守るため、
私たちは、活動を続けております。
震災学習と聞くと重く感じてしまう部分があるかもしれません。
しかし、すごく身近なところから「備災」の意識は身につけるができるのです。
東北、南三陸町の四季折々の大自然は味わい深いし、東北の海鮮は絶品です。
まずは、東北の四季折々の大自然に触れてみることから始めてみませんか。
自然を体験する「エコツーリズム」から始められることもたくさんあると思います。
自然体験に関心があり自然を愛する方々には、「南三陸町海の見える命の森」に
ぜひ訪れていただきたいと思います。
機会があれば、一度、東日本大震災にて被災しながらも懸命に生きている方々が
取り組んできた沿岸部に足を運んでみませんか。
東日本大震災から間もなく14年目を迎える地で心よりお待ちしております。
【三陸復興観光コンシェルジュセンター 学生広報部、
海の見える命の森委員会 / 網干理子(甲南大学)】
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