「サスティナビリティを主張!」シリーズ 第15弾(井戸直樹)
年間に300日ほど森林に入って活動していますが、森林は飽きることがありません。
四季があり、野生動物の痕跡もにぎやかで、年々変化していく様子も楽しいものです。
そして、われわれにとって必須の多面的な機能があり、だれもが森林を大切だと
思っているのではないでしょうか。
しかし、そんな大切に思われている森林も、
市場経済の視点でみてみると価値に乏しいのが現状で、
手間をかけて管理する人も少なくなり、手入れ不足の森林も目につきます。
どうやら、環境の視点、経済の視点だけでは、
森林とのサスティナブルな関係を構築するのは難しい面があるようです。
最近は森林に入る人も少なくなりましたが、暮らしの視点でみてみると、
木材や薪、キノコや山菜、肉や皮など沢山のものがいただけます。
森林と暮らしをつなげることに、
森林と野生動物と人との関係をつくりなおすヒントがあるのかもしれません。
森のたねでは、そんな森と暮らしを繋げるお手伝いをおこなっており、
森林環境教育と里山保全活動を軸に活動しています。
山しごとに興味をもつ子どもたちの増加や、
小さな林業(森づくり活動)の依頼の増加などから、まさにいま、
森林と野生動物と人との関係をつくりなおそうとしている、そんな動きが各地でみられます。
都会で暮らす人にもそんな森林の現状を知ってもらおうと、
東京でいくつかの企画を用意しています。
11月26日(月)~12月1日(土)まで「鹿の資源としての持続的な利用のために」
というテーマで、「人と鹿の共生全国大会」、12月2日(日)~16日(日)まで
「森林や野生動物のアンダーユーズ」をテーマにした「富士山環境展」を実施します。
都会の人と一緒に、森林とのサスティナブルな関係を考えていきたいと思います。
【エコセン世話人 / 森のたね代表 井戸直樹】
(2018年10月31日配信 メルマガ掲載)