「サスティナビリティを主張!」シリーズ 第14弾(塚原俊也)

「古(いにしえ)からのつながりに気づき、
エコツーリズムで、未来へのつながりを築く」

 

くりこま高原自然学校では宮城県栗原市栗駒の開拓地耕英地区で
冒険体験や生活体験を通じて、サスティナブルな人づくりや
暮らしづくり社会づくりの実践に日々チャレンジしています。

 

人々が小さな地域で暮らしていた時代は、いろいろなものが身近な自然環境や
人との間でつながり、循環していたと思います。
そして人間は暮らしを支えるために様々な便利な道具(通貨を含む)や
技術を生み出してきました。
今私は思います。いつのころからかその便利さや技術が、
自然や地域・人々の暮らしを分断し孤立させているように思います。

 

共同でやっていた仕事や作業は機械化により個別化し、
スピードや経済的な効率を求めることで自然と共生してきた暮らしや
小さな循環が断たれ、人間界と野生界さらには気候のバランスが崩れている。
行き過ぎた消費や経済活動は孤立した人々の不安を煽り、
さらなる社会的な問題を生み出しているように思える。
「足るを知る」ことを忘れ「分け合うことより奪うこと」
を続ける現代社会という暴走列車は断崖絶壁へと向けて走っているようにさえ思える。

 

エコツーリズムは分断されたつながりに気づき直し、
未来へ向け新しいつながりを築くための一つの新しいツールだと思います。
エコツアーで地域を訪ね自分の歩く速度で自然や暮らし・文化を体験する。
エコツアーを体験した人が自分の暮らしの中で小さくても多様なつながりや循環を生み出す。
移動や情報の取得が便利になった今だからこそ、実際に地域を訪ね、
自分の感性で世界を見て、多様性を受け入れ交流する。
古きを知り、足るを知ったうえで、新しい考え方や価値観でのマインドセットで
地域を超えたつながりや、ローカル経済の循環という未来のつながりを
エコツーリズムを通じて実現しましょう。

 

【エコセン理事 / くりこま高原自然学校校長 塚原俊也】

(2018年10月17日配信 メルマガ掲載)