エコセン世話人のフィールドを訪ねる旅・第3弾～鳴子温泉/くりこま高原～　鳴子温泉編

2025年3月7日 2025年3月7日

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2025年1月24日（金）から26日（日）にかけて、3回目となる「世話人のフィールドを訪ねる旅」を開催しました。
まずは1日目～2日目午前中までの「鳴子温泉編」の報告です。

【日程】2025年1月24日（金）～26日（日）エコセンの世話人を訪ねる旅

～もりたび/鳴子温泉＆くりこま高原自然学校・くりはらツーリズムネットワーク/くりこま高原～

1日目
11時頃　JR古川駅集合　レンタカーで鳴子温泉へ
12時頃　鳴子温泉街到着
12：00　昼食　大久商店（ジビエなどの山の幸）
13：00　車移動
13：30　鬼首「荒湯地獄」の利用と保全の取り組み
14：30　鳴子まち歩き（温泉熱利用）
17：00　宿チェックイン　（宿検討中）
温泉〜夕食〜交流会　理さんからエネルギーと森の循環夜話
2日目　
朝食、チェックアウト
9：00　鳴子こども園見学
（こどもを育む森と暮らしがつながる園舎）
10：00　車移動
10：40　KURIMOKU宝来工場
（自然エネルギーで稼働する日本唯一の製材工場）
11：40　移動
昼食（地元の弁当を予定）
13：00　大場寿樹さんと出会う（くりはらツーリズムネットワーク）
長屋門プロジェクト～伊豆沼サンクチュアリセンター
15：00　ラムサール条約伊豆沼にて夕方マガンのねぐら入り
16：00　日の入り、移動
17：00　栗駒耕英地区の温泉予定
18：20　くりこま高原自然学校チェックイン
18：30～夕食～塚原さんの活動の話やスタッフとの交流
3日目
7：30　朝食
午前中　自然学校で過ごす（エコセンの未来を考える世話人プチミーティング）
ジオパークVC見学や今元気な街栗駒岩ケ崎の六日町町ぶら
昼食　栗駒ならではランチ
13:30 出発
15時頃　古川駅着予定、各自解散

【鳴子・くりこま編　報告】

今回のエコセン世話人を訪ねる旅は東北宮城です。
鳴子温泉で活動するもりたびの斎藤理さん、
くりこま高原自然学校の塚原俊也さん、
伊豆沼ではくりはらツーリズムネットワークの大場寿樹さん
を訪ねました。

参加者は、事前のキャンセルも出て世話人の国安俊夫さんと共同代表の森高一の2名になりました。
JRの古川駅に集合し2泊3日、充実のエコセン世話人のフィールドを訪ねる旅第3弾を報告します。

◆ 鳴子は火山の国でした

鳴子温泉は古くから名が知れる東日本屈指の温泉地である。
陸羽東線ぞいに温泉地が並び、多くの湯治客が訪れる。
そんな温泉郷の南には強酸性のカルデラ湖「潟沼」があり、奥には鬼首カルデラと呼ばれるかなりな規模の火山地形があると、今回はじめて知った。

エコセン世話人の斎藤さんに、鬼首カルデラの中にある荒湯地獄に連れて行ってもらった。
斎藤さんがフィールドに使っているところで、大正期まではここに湯治宿があり賑わったが、今はひっそりと森に埋もれ沢のあちこちに温泉が湧きだしている。
いわゆる野湯だ。
その林道の先には電源開発が持つ地熱発電所が稼働している。

夏に野湯ファンがブルーシートを持ち込んで楽しんだ後、そのままブルーシートも塩ビ管も置きっぱなしにして帰る。
ブルーシートは劣化し環境的にも見た目にもよろしくないので、斎藤さんらはその回収を参加型のプログラムで進めている。
この森と沢の野湯があるフィールド、温泉愛好者なナチュラリストとしては、最高！というしかない。

地形図からも鬼首カルデラのかたちがよくわかる。
こんな山の奥深く、野湯ファンに限らず、ここは極上の大地の恵み体感スポットだった。

◆ 山の木が地域で循環をつくる

2日目に案内いただいたのが、鳴子温泉にある鳴子こども園と栗原市に向かう途中にある宝来（たからぎ）事務所だ。

鳴子こども園は隣の教会が運営し100年以上の歴史があるところで、2023年に地元の材でリニューアルをした。
その材を山から切り出し、製材して地元の工務店で建築する。
その一連のプロデュースをしているのが、宝来事務所に入るティンバーネットワークの皆さんである。

製材を行う株式会社KURIMOKU、森林整備と伐採をするNPO法人しんりん、バイオマスの発電と熱利用を進める株式会社VESTA・CHP、株式会社ウェスタ、株式会社サスティナライフ森の家、株式会社サスティナヴィレッジが、この事務所に入っている。
ここで製材から家具の製作、出てきたおがくずでペレット製造、端材はチップにする薪にして販売へ。
施設内でチップを乾かし、それでボイラーも焚き、発電もする（現在調整中）。

2021年に鳴子温泉の山中にできたVESTAプロジェクトの開所式に参加したのだが、その時も地元の森から木を伐り、地元の製材所で製材して、地元の工務店で建屋を建て、葉材となる木質バイオマスで発電と熱利用をする、という循環型地域エネルギーを見せてもらった。
今回はその中核にあたる製材所とそこでの工程を全部見せてもらい、実際に建てた鳴子こども園を見せてもらう。
着実に地域循環がまわっている。

鳴子こども園は、全面地元の木材、特に杉がふんだんに使われている。
園の設計には実際に働く保育士さんがいろいろと要望やアイデアを出して作られていて、見事によくできている。
もちろんこの季節は薪とペレットのストーブ。キリスト教の教会が運営するとあって、素敵な礼拝スペースがつくられてもいる。