「サスティナビリティを主張!」シリーズ 第5弾(2018年5月)

「持続可能な観光のための観光地域づくりと滞在交流型観光の構築にむけて」(その1)

 

・持続的な観光への新たな潮流
2017年は、持続可能な観光の国際年でした。
2018年は、この概念と日本での普及が加速する年にしたいですね。
さて昨年は、九州の島原半島で国際フォーラムを開催しました。
実際に、半島を構成している島原、雲仙、南島原の各市では、持続可能な観光への認識やこれを実践していこうという潮流ができてきたと思います。
しかし、実際に実践していく場合、何から手を付ければ良いのか?
という疑問が、日本のどの地方からも上がってくると思います。
そして、日本中で人口減少が叫ばれているなか、地方の商店街は寂れ、農家の後継ぎも減少していると言われています。
しかし、これまでに行政や団体を中心に色々な施策が実行されてきましたが、現実的には、これ以上どうしようもないという結果が日本中に起こっています。
それでも持続可能な観光が必要とされているのでしょうか?私は必要だと思っています。
なぜなら、地域の暮らしが持続できなくなってきているからです。
個人個人での暮らしの継続は限界がきているのかもしれません。
しかし、観光地域づくりやGSTCの基準と照らし合わせてみたところ、今なら寂れた商店街の中にも、ポツンポツンと淡い光がまだともっているのです。
その光を集めて、明るく照らし、町が持っている商店街や連携した周辺農村の特徴を分かりやすくして、広報する時期にきていると思います。
そこに、持続可能な観光をプラスするのです。

 

・縦割り行政の弊害
縦割りの行政では、農政・商工・観光などの各部や課の事業で担当省庁が違うため、それぞれの補助金制度があります。市町村には、その省庁の繋がりに沿った補助金が流れてきます。
しかしその中には、部や課を越えて一体にした方が良いように思う補助金もあります。
例えば、人が集まる施策を行う部や各課の事業に対する補助金を横串に刺し一体化するのです。
そして、その施策の総合的な受け皿がDMOなどの組織であると考えます。
広域的な施策も考えていかなければなりませんので、ここに持続可能な観光の概念や取組みが入ってきます。
持続可能な暮らしに対する取り組みも同時に行なっていく役割です。
これらは行政として、かなり高度な組織変革の取組みになるのかも知れません。
戦後間もなくから、観光事業に対する強固な仕組みを作り上げてきた日本のこれまでの観光の仕組みを活かしながら、しかし、行政では部や各課で起こしていた、人が集まって来るための個別事業を一体化し、相互に繋がりあった共通の予算の仕組みを作り上げていくような変革の時期に来ているのかも知れません。

 

(次号へ続く)

 

【エコセン理事 /(一社)島原半島観光連盟 専務 坂元英俊】
(2018年5月2日配信 メルマガ掲載)