『これが日本の自然体験~エコセン世話人が独断で選ぶ日本の自然エリアと体験~』第18弾(森 高一)
『仙丈ケ岳』
ここ数年の夏の暑さはついに閾値を超えてしまったようで、東京は身の危険を感じるほどに。
そんな時は標高の高いところにということで、今回は南アルプス・仙丈ケ岳です。

仙丈ケ岳
日本に21座(23とも)ある3000m峰の1つで標高は3,033m。長野県駒ケ根から戸台口を経由して北沢峠へ。
そこからアプローチするルートが一般的で、北沢峠を起点に北東側には甲斐駒ヶ岳が。
かつては北岳の登山口となる広河原からも北沢峠へバスがあったのですが、2020年の台風で崩れ不通になりました。
仙丈ケ岳と言えば山頂直下のカール、いわゆる氷河の削ったU字の谷で、特に朝の景観が特に秀逸です。
なので北沢峠起点に頑張れば日帰りもできますが、小屋泊がおすすめ。
森林帯にある馬の背ヒュッテも頂上直下の仙丈小屋もとても素敵な山小屋です。

馬の背ヒュッテおかみの地酒

馬の背ヒュッテ鹿肉カレー
カールの際のルートを登り山頂に立つと、すぐ隣に北岳(日本第2位)、その向こうに富士山(言わずもがな日本一)、南アルプス(仙丈含めず3000m峰が8座)の稜線が見渡せます。
カールの景観とともに魅力的なのが高山植物のお花畑で、短い夏に色とりどりの花を咲かせ、そこに高山蝶が飛び交います。

チングルマ
マルバダケブキの花にベニヒカゲがとまるとなるほど保護色だわと思い、風に吹かれてずっと眺めていられる。
蝶好き垂涎のクマモツマキチョウの生息地でもあります(なかなかお目にかかれず)。
野性味合ってアプローチも長い南アルプスは、なかなかとっつきづらいイメージですが、仙丈ケ岳は3000m峰であっても比較的登りやすい山です。
シラビソ樹林帯から森林限界を超える変化もなかなか。
とかく富士山や北アルプスに人が集まるのですが、日本の山旅でいいところはほかにも。
【エコセン共同代表理事 / 森企画代表 森 高一】
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