『これが日本の自然体験~エコセン世話人が独断で選ぶ日本の自然エリアと体験~』第8弾(塚原 俊也)
『東北の名峰栗駒山! 日本のブナ林とThe東北の紅葉「神の絨毯」を修験の道で体感せよ!!』
東北のど真ん中に鎮座する栗駒山は日本有数の紅葉の山である。
その錦絵のような紅葉は神の絨毯と形容されるほどです。
そして栗駒山は古くからの信仰の山でもある。
紅葉時期は一般の人も登りやすい中央コースや東栗駒コースといったメジャールートが多く使われるが、栗駒山の神髄を楽しむには、「表掛けコース(通称:御沢コース)健脚向け」を是非、体感してほしい。
このコースは古(いにしえ)の修験の道でもあり、お駒信仰の道でもある。
コース前半は美しいブナ林を抜け、御沢という沢にぶつかる。
コース中盤は沢沿いや沢の中を登っていく。
沢沿いは石飛び八里といわれ、大きな岩を越えながら山頂を目指す。
沢を終えると御室という下界とは別世界の草原へ出る。
夏は花の100名山である栗駒山を代表する高原植物のお花畑であり、
秋は神聖な雰囲気を醸し出す聖地である。
御室には栗駒山をご神体とする駒形根神社の奥の院があり、そこには馬の石板がある。
江戸時代から続くお駒信仰では、お駒講の人々がこの石板に墨を塗って魚拓ならぬ馬拓をとって、
五穀豊穣などを祈って集落の人へ配ったという。
豪雪やブナ林に育まれた水資源の豊かな栗駒山の大自然と
山麓の人々が神へ五穀豊穣を願った暮らしと信仰が合いまったルートを登り、
下山時には眼下に広がる神の絨毯を是非体感してほしい。
【エコセン理事 / くりこま高原自然学校 校長 塚原 俊也】
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