『彩とりどり日本紀行 雨水 :2月19日(旧歴1月10日)』第14弾(萩原寛暢)

「カムイ パイカイ ノカ」

私が住む、弟子屈町(てしかがちょう)は、北海道東部の内陸に位置し、
阿寒摩周国立公園の屈斜路湖・摩周湖を有するエリアで、
道内でも雪が少なく冷え込みが厳しい地域です。
立春が過ぎて、暦の上では寒さも峠を過ぎる頃とされていますが、
1月下旬~2月上旬といえば、まだまだこちらは厳冬の盛り。

この頃になると、町内で話題になってくるのは、
屈斜路湖・摩周湖が全面結氷するかどうか。
どちらも火山活動で成り立ったカルデラ湖のため水深が深く、
湖水の容積が大きいために、近隣の湖よりもずっと結氷のタイミングが遅いのです
(摩周湖は全面結氷しない年もあります)。

例年になく夏が暑く、かつ-25℃以下という強烈に冷え込む日がほとんどない今冬では
(それでも-15℃程度にはなりますが)、
全面結氷するかどうかを心配する声もありましたが、それでも結氷は無事に進み、
この原稿を書いている2月13日朝の時点では、全面が氷で覆われているように見えます。
ただ、一部水面が見えている部分があるような、ないような…??
結氷している・まだしていないと、町内で会話が繰り広げられるのも風物詩のように思 います。
今後1週間ほどは、平年に比べるとかなり高い気温が予想されているので、
果たしてどうなるか!

結氷した屈斜路湖では、寒暖の差で氷が膨張収縮を繰り返して氷がせりあがった
「氷丘脈」が発生します。
諏訪湖の御神渡りが有名なこの現象ですが、ここ屈斜路湖では
アイヌ語で「カムイ パイカイ ノカ(神が歩いた跡)」と呼ばれており、
どちらも神を連想しているのが興味深いところです。

もう少し寒さが続く北海道ですが、立春を過ぎる頃には「陽が長くなりましたね」
と言葉が交わされることも多くなり、太陽の力強さを感じる季節になってきます。
光の春を感じつつも、もう少し冬の名残を楽しんで過ごしていこうと思います。

【エコセン理事 /てしかが自然学校代表 萩原 寛暢】

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