田舎暮らしの達人!藤原誉さんに聞いてみよう‼  [第6回:食料編]

4月21日のお昼ご飯。タラの芽、アザミ、フキなどの天ぷら。自家製こんにゃく、イタドリのぬた和え、こごみのおひたし、左上のピンクの奴は去年の秋に収穫したミョウガの酢漬け》

 

 

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【第6回:食料編】

 

春ですね。
野菜が少ない季節ですが、山菜が目白押し。毎日何らかの「草」をもしゃもしゃ食べてますよ~。
ということで、今回は山菜にフォーカス!

 

Q.山で山菜を探すとすると、どのくらい見つけることができますか?

 

私たちにとって山菜は春先の畑には葉物野菜がほとんどなくなり、
野には少しずつ緑が広がり始めた頃、
味覚として新鮮な緑の味が恋しく感じるこの時期に食卓を支えてくれる大切なお野菜
(マウンテンベジタブル)です。
3月の雪解けからのフキノトウに始まり、ワサビやクレソンの仲間のたねつけ花、
ノカンゾウ、よもぎ、アザミ、カラスノエンドウ、ヒメオドリコソウなどが
身近に溢れた使いやすく、美味しい早春の山菜ですね。
これらの山菜のフキノトウ以外は鹿の食害含めて、
乱獲などによる枯渇の心配のない溢れた草たちで心配事なく使うことができるので、
逆に私たちにとって大切な山菜だと思っていますし、
きっと日本中ほとんどの場所で里にあふれている事だと思います。

 

4月も中旬になると、いわゆるメジャーな山菜たちが目白押しですね。
私たちの身近なところではワラビ、こごみ、タラの芽などの収穫期を迎えて、
その後にはコシアブラの収穫が年中行事になります。
これらの山菜は絶滅を心配するような事はないですが、
人気のある山菜なので場所によっては枯渇が心配されたり、
地主とのトラブルがあったりで、採取に関してはマナーやルールを持つ必要があります。
私たちはこれらの山菜は全て所有地、または私たちの管理する山林、
農地などとその側の土手や河原などで、草刈りや野焼きなども行いながら
守り活かす形で管理していて、基本、そこだけの収穫で、限りある旬の食材として利用しています。

 

こちらは4月20日のお昼ご飯。左は鹿肉や保存野菜たちを使ったチャーハン、右は猪の出汁でとった和風出汁にノカンゾウの刻みと菜の花をトッピングした温そば

 

これらのメジャーな山菜を採取するにあたっては、
私たちのような管理した採取場所を持たない人たちには心掛けてほしいことがあります。

 

◆集落や民家の側、管理された農地の側では採取しないこと。
そこに暮らす人は、アホでもなければ無知でもありません。
そこに生える美味しいものを知らない訳ではないのです。
年配の方が管理する農地などで、確かに自分たちではそう多く採取しない、
食べない人もいるでしょう。
ですがその場所はその人の子孫や友達含めて、時によっては素敵な時間を過ごしてもらえる、
喜んでもらえるそんなこともある聖域なのです。

 

◆人里から離れた場所で、無駄にすることなく美味しく頂けるだけの分量を採取すること。
近年は山菜を身近に採取できる場所が少なくなったことで、
都会に暮らす多くの方が地方の里近くの見つけやすい採取場所に押し寄せてくる傾向があります。
それぞれがマナーよく程々に採取していたとしても、
毎日のように入れ替わり立ち代り採取されている場所では、
やはりその資源は枯渇してきます。
そんな中で必要以上に収穫し、使い切れずに生ゴミのゴミ箱へ向かう山菜たちがあるとすれば悲しいことですね。

 

◆若者は、他者と競合するような採取場所には目をくれず、
自分の足で穴場を探すことを期待しています。

 

これはもう少し前の日のお昼ご飯。この日はご飯がよもぎや雑草たちを混ぜ込んだ炊き込みご飯でした。ちなみにニシンの上にトッピングされているのはフキノトウ味噌

 

とはいえ山菜たちの素晴らしい事は、逞しい事。
人の目に触れにくい場所では繁茂している場所もあるものです。
そんな場所を見つけることも嬉しいことだし、そんな場所を自分だけの穴場として、
大切に守り活かそうとしてほしいですね。
そんな場所をいくつか持てたら、毎年そこを訪れる中で、
その場所のその植物たちの自然の中で起こりうる様々な変化も見届けることができます。
年々、草勢を増し繁茂することもあるでしょう。
ですがある年は動物の食害で壊滅的な姿を目の当たりにするかもしれません。
台風などの災害でその場所が様変わりしている事もあります。
ですが、また新たな場所に芽吹き始めている植物の逞しさに出会える事もあります。
そうやって植物たちのストーリー、生き様を見届けることこそが、
きっとあなたにその山菜たちとの付き合い方を示してくれることでしょう。
「そのくらいなら採っても大丈夫。私たちはまだまだ元気だよ~」
「そんな取り方したら、その枝枯れちゃうよ~。」
「最近、いろんな人が新芽を採りに来るから太陽を浴びる葉っぱが育たないよ。
新しい根を育てる力が足りないよ」
「ごめんね。去年の台風で栄養豊富な地面が流されちゃって、
この場所ではもう大きく育たないよ。(涙)」
なんて風に山菜もいろんなことを喋るんですね。

 

さて話を戻して。
春から次々と目白押しの山菜たちも5月を過ぎた頃には美味しい旬を終えていきます。
でもそんな頃には畑にフレッシュな野菜たちが十分に育ち、収穫を控えているのです。
それからの時期に、私たちが採取する重要な山菜といえば山椒ですね。
あとは新芽をいつでも摘んで使えるよもぎ、日の当たらない水路沿いなどに繁茂するウワバミ草や
ミツバなんかも春から秋まで採取できる山菜で、たまに思い出したように汁物に浮かべてみたり、
炊き込みご飯に混ぜるなど脇役の食材として楽しませてくれます。
そして時々楽しむ程度のここに名前を挙げなかった山菜は他にもまだまだありますよ。

 

4月21日の山村体験のお昼ご飯。摘み菜たちの天ぷらと山菜のまぶしおにぎり、とかね。そして子供が手にしているのはさっき釣ったばっかりのアブラハエの唐揚げ。雑魚だけど美味しいんだ

 

私としてのこの質問に対する答えは、
「里の山菜は身近にたくさん溢れています。」
「ですがたくさんの量を採取する事は目標でもなんでもありません。
その環境にローインパクトの範囲内で自分たちが必要なだけを採取するものです」
「タラの芽やコシアブラなどの山の山菜は人目の付かない、他者や獣たちと競合しない場所には実は多くあるものですよ。山の山菜を求めるならば、その地域全体のルールは守りつつ、登山道とかの多くの人が利用するところから全く離れた自分だけの穴場を探してみては。」
「山菜を生業として考える人は、栽培をするか、もしくは杣人のレベルで誰にも気付かれず、山主さんも含めた他者と一切競合しない自分だけの場所を見つけ続け、その場所を守り活かせる人だけが採取を生業にして良いと思える人です。」
「流行りに乗じた一時的な収入や、儲け話に乗っかるようなことで山菜とりをしようとする人は、私の友達にはなりません。(笑)」