スペシャルな『旅の話』シリーズ 第13弾!(岩崎由美)

過去をめぐる冒険
両親が亡き後、諸々の手続き手続きのために取り寄せた戸籍には、
聞いてはいたものの初めて知る住所が記されていた。
「そうだ、過去を巡ってみよう」と思い立ち、祖先が生きた土地、
かつて自分が住んでいた
場所、まだ会ったことのない親族を訪ね始めた。
土地ごとの空気、子どもの頃の記憶や人々との出会いを重ね、
個としての自分について過去から今を知る旅だ。
 

 
話はがらっと変わるが、人類の進化や日本人の成り立ちについて、
国立科学博物館・篠田氏のお話しを聞く機会があった。
全ての人類はアフリカ起源。
約20万年前に我々ホモ・サピエンスが誕生。
日本には6万~2万年前に複数の経路でやって来た人々が縄文文化を築き、
やがて大陸からやって来た人々と融合して弥生文化をつくってきたという。
 
私たちの中にある遺伝子は、ホモ・サピエンスになって以降も捕食者、
寒さや飢え、病などと闘いながら、20万年の時を生き抜いて来たものだ。
それこそ今世界で猛威をふるっている新型コロナウイルスのような病にも晒されたはず。
それらに打ち勝ち、遺伝子を組み換えながらDNAを獲得してきた。
 
そして、個々の歴史が何世代にわたり連綿と続いてきた結果、自分の存在がある。
様々な環境や人とのつながりなど、想像をはるかに越える事があったことだろう。
それを考えると、私たちの存在はなんと愛おしいものなのか。
まだまだ訪ねたい場所があるので、私の旅はしばらく続きそうだが、
私たちはこの後いったいどこへ行くのだろう。
≪写真はいずれも栗林公園≫
 
【エコセン世話人 / Project WAVE代表 岩崎由美 】
(2020年7月6日配信 メルマガ掲載)

コラム「Go to にっぽん」の一覧はこちら
コラム「スペシャルな『旅の話』」の一覧はこちら
コラム「サステイナビリティを主張!」の一覧はこちら