世話人へインタビュー!世界遺産編(小林政文さん)

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が7月に世界遺産に決定したことに関連して、エコセン事務局から世話人・小林政文さん(沖縄)にインタビューをしました!

Q 地元の反応はいかがですか?

小林 二度目の挑戦となっての決定だったのでまずは安心したところでしょうか。

沖縄県内でいえば、竹富町と国頭村がガイドに関する条例を制定し、域内ガイドと自然を守るような動きを見せています。

両地域は域外から観光客が旅行ツアーとして来訪し、日帰りや短時間で帰ってしまうという消費構造があり、それでは地域の雇用や自然環境を含む環境負荷を一定に保てないという課題があったようです。

Q  そういった条例の制定は広域でなく、小さなエリア(自治体毎)で対応するんですね。

小林 そうですね。なかなか行政の予算のスピードに広域の地域がついていくのは難しいのだと思います。

Q 今後の課題はなんでしょう?

小林 個人的にはエコツーリズムの普及と仕組みとして一段階上のサービス提供ができるような取り組みが必要かなと考えています。沖縄県内を始めとした観光地では、エコアクティビティを旅行の中に取り入れてもらうという形でのエコツーリズム普及だったと思うので、ツアー全体のエコ化が今後の挑戦すべき課題でしょうか。

これまでエコアクティビティを提供してきた自然学校やツアーを提供してきた旅行会社が融合したような組織が今後さらに必要になってくるのではないでしょうか。

Q 沖縄に、DMO的なものはあるのでしょうか?

小林 もちろんあります。八重山という石垣市、竹富町、与那国町などがあるエリアでも八重山ビジターズビューローという組織があります。

沖縄本島にもあります。沖縄観光コンベンションビューローや、沖縄市観光物産協会などです。

Q 沖縄のオーバーツーリズムについて、どのように捉えていますか?

小林 例えば、観光地をPRする時に、スポットの写真だけをアップしてしまうと、部分的なオーバーツーリズムを引き起こすことに繋がると思います。ガイドと一緒だからここにいける、というアピールを同時にする必要があります。

それから、沖縄全体でオーバーツーリズムという評価がコロナ前からありましたが、どの地域でどのような形で、といったデータの裏付けがまだまだ足りていないと思います。地域の輪の感覚が人によって違うので(例えば、自分の集落なのか、村なのか、市なのか、県全体なのか)、そこを合わせて話していかないとオーバーツーリズムという言葉は使えないですよね。 当事者は逆に使ってはいけない言葉なのかもしれません。隅々までお金を行き渡らせることはまだできていないので。

Q 「2,300~2,400人の人口の西表島に、年間、多い年には30万人を超える観光客が来ていたのでオーバーツーリズムになっている」という人もいます。

小林 全体的な数値で中身が見えないので、30万人がどんな行動をしたのかを解明していく必要がありますよね。ほとんどがもしかすると遊覧船で終わっているかもしれません。それならばすでに行っているように遊覧船で降りる箇所を限定するなどの対策が有効でしょうし、この先の森へはガイド同行のみなどの対策も新たにつくれそうです。

こういった意味からツーリズムをしっかりとしたエコツーリズムにしていけるといいですよね。エコアクティビティでとどまっている限り、観光管理も難しいでしょう。

Q オーバーツーリズム把握のための調査は、行政としてDMOとしてきちんと把握しよう、という方向にいくのでしょうか?サステイナブル・ツーリズムやSDGsの観点では非常に重要だと思います。

小林 確かに進んできているでしょうね。評価が大切な時代になってくると思います。 評価することでマーケティング的な新たな戦略での観光誘致ができるでしょうし。

自然学校もこの辺を対応できるようになるといいですね。IT自然学校。地域DMO自然学校。地域旅行社自然学校。他業種との交わりですね。エコセンプラスα。

ツーリズムに参入しているイノベーターは結構いるイメージですが、エコセンも若い世代の経営者が関心持ってくれるといいですよね。

Q エコツーリズムがうわべだけのエコ観光のようなものにならないために、世界遺産というツールを上手に使えたらいいですね。

小林 今まで、外にお金を取られていた分、世界遺産になったところは、地元にお金を落とせるように色々な規制をかけ、工夫しています。ただ、厳しくしすぎて観光客が来てくれたときに、自分たちの首を絞めることにならないような柔軟なルールになればよいな、と思います。

Q 外の人間は、沖縄全体でしか見ていないけれど、実は利益に偏りが生じているんですね。世界遺産になって、もう少し全体的なバランスがとれるようになったらよいと、話を伺って思いました。ありがとうございました。