『これが日本の自然体験~エコセン世話人が独断で選ぶ日本の自然エリアと体験~』第32弾(山本かおり)
「鶴ヶ池と桶ヶ谷沼」

(鶴ヶ池)
静岡県磐田市にある鶴ヶ池と桶ヶ谷沼(おけがやぬま)は隣り合っていて、地元に帰ると家族と時々歩きに行きます。なんの変哲もない池です。
鳥が多いなぁ、と思いながらてくてく。
池には鳥がいるものだ、と思っていました。
ところが、少し離れた別の町の池に行ったときに驚きました。
水鳥が一羽もいないのです。そこは農業用のため池で酸性が強く魚が住めない環境のようで、見事に水鳥の姿はありません。
翻って鶴ヶ池と桶ヶ谷沼。白鳥もやってきます。水鳥たちの住処です。
水鳥がいるということは、魚などの水生生物がいるということ。水生生物がいるということは、水の中や周りの環境がそこそこ守られているということ。そういうことは、生態系について学んできたからわかります。
ぼんやりしていたら、水鳥が多いなぁ、と思うだけでした。
桶ヶ谷沼の方はトンボの生息地として知られていて、ベッコウトンボをはじめとするトンボは72 種類、県内のトンボの3分の2、国内の3分の1の種類が確認されています。(桶ヶ谷沼ビジターセンターのホームページより)
私が高校生の時に、桶ヶ谷沼はトンボの宝庫なのだ、と市の人(多分)がお話をしに来ました。
高校を卒業して地元を離れ、少し落ち着いた年齢になってから、桶ヶ谷沼によく行くようになりました。
そして、最近はとなりの鶴ヶ池にも。

桶ヶ谷沼は少しアップダウンがあるので、ただてくてくしたいときは鶴ヶ池の方に。
東京で暮らしていると、こんな環境がとても貴重なものなのだ、と感じます。
何も生み出さず、人の役に立っていない、と考える人もいるでしょう。
でも、そこに水鳥がいて、水生生物がいて、水生植物が豊かで、汚れのない水があって、それを守ろうとする人の力があって、だからこの環境がここに今あるのだ、と思うとてもうれしく感じます。
父と鶴ヶ池を歩いた時に、子供の時にこの周辺まで生きものを捕りに来た、という話を聞きました。町はずいぶん発展してきましたが、生きものたちの住処はこれからもずっと守られてほしい、と思います。

(こちらも鶴ヶ池)
【エコセン事務局 / NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ) 山本かおり】


