『これが日本の自然体験~エコセン世話人が独断で選ぶ日本の自然エリアと体験~』第31弾(森 高一)

トキの舞う田んぼ

梅雨の季節、日本各地で雨です。
それでもこの時期、田んぼでは田植えが終わり、若い稲がまだ頼りなげに水面に並んでいます。
そしてまた夏が来ます。

今回は、そんな田んぼと里山の風景を代表して新潟県佐渡です。
ご存じの通りトキの人工繁殖の拠点となり、野生放鳥も軌道に乗ってきました。
今や500羽を超えるトキが佐渡の里山で生息するまでになり、なかには本州にも渡ってくるものも。
今年は石川県羽咋でも放鳥されました。
トキの仲間は世界的にいますが、あのピンクともオレンジとも見える羽の色は日本のトキならでは。
まさに朱鷺色。

飼育下のトキたち
トキの羽

以前環境省の施設で抜けた羽を見せてもらったことがありますが、美しかった。
佐渡では農薬を使わない、自然のままの水路を残す、ふゆみず田んぼをつくるなど、トキがたべる生きものを増やす取り組みが地域に広がり、続いています。
稲穂のゆれる田園風景にトキの群れが舞い、足元にはカエルやドジョウやたくさんの生きものが。
ここしばらく消えかけていた日本の風景といとなみが戻ってきたようで、多くの人のご尽力で育まれた風景に心が動きます。
また兵庫県豊岡市でもコウノトリの野生復帰も進んでいて、
すでに多くの個体が日本全国に渡っています。
去年能登の珠洲でもつがいが冬の田んぼを歩いていたのを見ました。
人のくらしのそばにいる大型の水鳥たち。佐渡と豊岡から全国へと広がっていく、日本の里山景観を世界の人にも愛でてほしい。

佐渡のわんど

【エコセン共同代表理事 / 森企画代表 森 高一】