『これが日本の自然体験~エコセン世話人が独断で選ぶ日本の自然エリアと体験~』第28弾(中澤 朋代)

すごく寒いけど楽しい!

『JAPOW』

この話題、シーズンの事後報告となりますがご容赦ください。


【JAPOW】ジャパウ、という言葉をご存じでしょうか。「Japan」と「Powder Snow」を掛け合わせてまとめた、訪日スキー&スノーボーダー達がその雪質の高さに賞賛の意を込めて使い始めた言葉です。
日本でいわゆる「新雪」のことですが、軽く浮遊感のあるパウダースノーへのバックカントリーは、最近のファットスキーなどの道具の進化とともに、魅力的なスノーアクティビティとして話題になっています。

3000m級の乗鞍岳は、長野県と岐阜県にまたがる内陸の山体です。
岐阜県側の西斜面は豪雪で冬の長い間は雪に閉ざされます。
山にあたった西風が通り抜ける東の長野県側は、さらに空気が冷やされ乾燥し、パウダー状態が長く続くので、3月の半ばの降雪でもジャパウが楽しめました。

さて、1月末のある日。運動不足ではいけないと、散歩に裏山に行くことにしました。
これらの地域では、かんじきは必須です。なにしろ新雪に一歩踏み込めば、股まで埋まってしまいますから。
ありえない深さにはまり、一緒に行った娘と大笑い!

現地のカフェで乗鞍高原の宿オーナーのおじ様達と、スキーの昔話をしたところ。
「山ではここまでパウダーに埋まってしまって、急斜面でもスピードが出ないのよ」と、腰の位置を両手で示しながら、「でも、この雪の軽さは最高だよ」とニンマリ。

乗鞍岳にバックカントリーに行った時のこと。その日は快晴でした。
「今日は条件が整った貴重なフィルムクラスト、板が走るよ」
と目を輝かせたガイドの峰ちゃんが、雪面の薄い氷をはがして太陽光にかざす。
太陽で溶けた表層の雪が冷たい空気で一瞬に凍りつき、氷の膜が斜面一面にできている状態。稜線から一気に滑り込むとこれまでにない、なめらかさとスピード感。
爽快すぎる!そんな雪質もあります。

バックカントリーに続く道

こうして雪国、山岳の人々は仕事やなんかと言いながら、晴れ間をぬって雪山に向かうのです。そう、おそらくニンマリと笑って。

【エコセン共同代表理事 / 松本大学非常勤講師 中澤朋代】