『これが日本の自然体験~エコセン世話人が独断で選ぶ日本の自然エリアと体験~』第24弾(森 高一)

『三方五湖』
今回は福井県の三方五湖、水月湖と三方湖のお話です。あまり知られていないと思うのですが、日本の歴史上また地球スケールの時間上、とても重要な場所なんです。
三方五湖は海に接する汽水湖から一番奥の淡水湖まで5つの湖がつながっていて、景観的にも面白いところ。ですが、何より世界的に注目されるのが、その1つの水月湖の湖底に年縞(ねんこう)と呼ばれる1年に1枚ずつ積み重なっていく層が存在することなんです。その枚数、なんと7万年分。これを1層1層解析し、7万年分のタイムスケールがとれました。これが世界基準になり、しかも花粉分析から当時の気候状況が読み取れるというのだからたいへんなこと。詳しくは湖畔の年縞博物館を見学ください。

一番奥の三方湖では、江戸時代からの伝統漁法・たたき網漁がいまだ現役です。笹竹で湖面を打ち、水深の浅い湖でフナを網に追い立て刺し網で捕獲するものですが、なんとものどかで、こんなんで大丈夫と感じないでもないのですが、これが400年以上続いてきて今だにフナが獲れる。これぞサステナビリティの極みです。特に寒ぶながおいしく、冬の時期の刺身はもう絶品。


そして、三方湖の湖岸近くに全国的にも有名な鳥浜貝塚があります。縄文草創期から前期にかけて(約12000年前から5000年前)の集落遺跡をはじめ、縄文晩期にかけての土器や丸木舟が出土しています。

低湿地で保存された木の実や骨も多数見つかり、どんなものを食べていたかの基調な資料に。さらには6000年前の赤色に着色された漆の櫛が出ていて、これは国内最古の漆塗り製品だそうです。

そんな時代にここには大木を使い、漆を使う文化があったと。しかも年縞のおかげで信じられないほど精緻な年代測定ができている。考古学ファンでなくてもわくわくものなんです。詳しくは若狭三方縄文博物館へ。
エコセン世話人のSwitchSwitch阪野さんが、ここでいろんなアクティビティをやってます。湖にシーカヤックで漕ぎ出せば、その水の下にリアルに悠久の時間を感じられる。世界でも貴重な「タイムトラベル」のできる湖がここにある。そんな時間感覚を想像できるかできないかはあなた次第。
【エコセン共同代表理事 / 森企画代表 森 高一】

