「サスティナビリティを主張!」シリーズ 第31弾(吉田 直哉)

丹沢山麓、雑木林と茶畑に囲まれた小さな家に移住して活動している
NPO法人丹沢自然学校の吉田直哉と申します。
こんにちは。

 

 

 

丹沢は、東京や横浜などの都会にすぐ近く
原始の森や圧倒的な大自然に囲まれているわけではありませんが
豊かな自然のすぐそばで、人の営みが積み重ねられてきた場所。
山麓での暮らしには、人と自然の関わりを考えさせられるシーンが詰まっています。
今日はそんな逸話をひとつご紹介します。

 

 

我が家のある八沢集落にオオカミの伝承が残されていることを知ったのは数年前のこと。
むかし、たびたびオオカミが里に来て悪さをするのでお爺さんが落とし穴を仕掛けたら
1匹のオオカミがかかった。
でもオオカミの輝く目を見つめたお爺さん梯子を持ってきて、オオカミを逃がしてやった。
その後、お爺さんの家の前にウサギが1匹置かれていたという
恩返しのお話です(岩田達治著「秦野のむかし話」より)。
この話のことを集落の古老で我らの知恵袋でもある茂平治さんに尋ねてみると
「ああ、〇〇さんちの裏、いま第2東名の料金所を作ってるあたりに掘ったらしいよ」
まるで昨日のことのようなリアルな言葉が返ってきました。
ふーん、実際にあったことをモチーフにした話なんだ・・・。
それにしても、だ、だい2東名の料金所?
ものすごく現実的な言葉とオオカミの伝承が結びついてちょっとびっくり・・・(苦笑)。
それはさておき、僕はこの話で穴の中のオオカミに語りかけるお爺さんの言葉が好きです。
「もう、ここには来るんじゃねえぞ、いいのかわかったか」
野生動物との距離や付き合い方を暗示するような言葉だと思いませんか。
ときには利用しあいときには緊張感をもって対峙して人と獣は共存してきたのでしょう。

 

 

 

そんな里山の暮らしがまだまだ健在な、ここ丹沢山麓・上秦野。
少しずつでも学んで伝えていきたい。
そんな思いを込めて、自然学校のエコツアーを企画しています。

 

 

【エコセン監事 / 丹沢自然学校 事務局長 吉田 直也】
(2019年6月19日配信 メルマガ掲載)