田舎暮らしの達人!藤原誉さんに聞いてみよう‼  [第1回:水]

「田舎暮らしの達人!藤原誉さんに聞いてみよう‼」へのご質問にお答えします。
田歌舎・藤原誉さんからのアドバイスを参考に持続可能な生活への第一歩を!

 
藤原誉さんについては こちら

 

ふくしまキッズの参加者の子供達

 

【第1回:水】

 

自給自足というキーワードで多くの人がはじめに頭に浮かぶだろう農業とか、狩猟とかを後にまわしてね、あえて『水』からこのシリーズを始めてみようと思う。

 


水源の滝、すぐに地面に染み込み伏流水となる

 

#天然水での暮らしの始まり

 

田舎暮らしを始めて4年目(25歳の頃、20年ほど前)、山林の一部を借りて念願のわが家(小屋)を建てた時、その場所には公共の水道が引けなかった事情もあり、すぐ隣の谷から引いていた集落水道を使わせてもらう事になった。
その水道は昭和40年代に公共の水道が通じるまで、5軒ほどの共用の水道として集落の人たちの手で作り、維持、管理されていた水道で、後には主に養鶏場で5000羽以上の鶏を支える用水として大切に維持されていたものだ。
「昔、皆で出資し合って作った水道だ。本来分担金を何口かでも出すべきものだが、メンテナンス、補修をお前が担当するってということで皆の了解を得てなんとか無料で使わせてやろう」、と長老のお言葉をいただいて。
すでに養鶏場でアルバイトしながらその水のありがたさは知っていたし、メンテナンスも仕事の中で何度かやったこともあり大体わかってたので、自然の水で生活できるってことに「やったー!」ってワクワクしていたことを思い出せます。

 

そんな風に、その時からの生水での生活ですが、強い雨が降ると取水口が詰まり、その都度水源まで掃除に行きました。
稀にパイプが抜けたり、時折タンクの清掃も必要だし、そもそも雨が降ったら谷が濁り、飲み水もお風呂の水も濁り水になったりで不便なことも確かにあったけど、高低差を利用して掛かる圧力を利用して、台所の蛇口からも、お風呂へも、また洗濯機へも、自然の水で賄えるって事が嬉しかったですね。
もちろん家周りの配管をすべて自分の手でして、それが冬に凍てついたり、それをまた修理したり、そんないろんな水にまつわるの様々なトラブルを経験したけれど、その都度新しい発見や学びがあり、水道工事のノウハウを蓄えながら暮らしていました。
そうして29歳の頃、今の田歌舎の土地を手に入れた時には何よりも先に水源を探して周囲の山中を歩き回り、引ける水を探し回ったのもです。
「田舎暮らし=豊かな水」って観念がその当時には出来上がってて、美味しい水が、健康を支えてくれる水が、タダで豊富に手に入るほど有り難いことはないよって。
そして5年ほどお世話になった集落水道から学んだことで、自分が水道を一から作るならこうするよって、その改良ポイントも含めてノウハウはバッチリだったんだ。
結果的に新しい土地(今の田歌舎)から400mほど離れた山中に、高低差も十分取れる理想的な水源を見つけて、そして集落、また水源までの地主さんたちからの理解を得て今の水道を作ることになったんだ。

 


水槽(写真背後のコンクリート)に余水が流れ込み、常に流水が出ている。
長靴を洗ったり、野菜洗ったり、鶏の毛むしりをしたりと様々に活躍する大切な場所。

 

#生水で暮らして丈夫に育つ

 

考えてみれば人間以外の動物達は皆、雑菌にまみれた生水を飲んで生活しているだよね。
もちろん汚染した水で憂き目にあう動物も中にはいるだろうけど、それ以上に雑菌にまみれながら自身の体を強く育んでいるってことは容易に想像ができることだ。
そう思うとその事が人間に当てはまらないわけはないんだ。
ほどほどのミネラルや有機成分、そして雑菌も含めて日々体内に取り入れつつそれに育まれたり、体内で攻防があったりを繰り返しながら強靱な体を作っていくってことが出来るはずだし、絶対その方が良いに決まっている。
もちろん海外なんかではとても飲用できるような水が無い場所もあるだろうけど、日本って水資源めちゃめちゃ豊かなんだから、探せば使える水は何処かにあるはずなんだな。

 

ちなみにウチの子供たちは生まれてこの方19年と16年、私の20年間の生水生活にすっぽりと巻き込まれた訳ですが、ズーーーーっと、そんな生水を飲んで来ました。
で、その生水が原因でどうにかなった事なんてまるでないし、雑菌にまみれ育ったうちの子供達はアレルギーも無ければノロウィルスにもカンピロバクターなどいろんな食中毒菌にも感染する事なく大きな病気は全くかからずに育ってます。
さらにはいいのか悪いのか二人とも、おたふく風邪にも水疱瘡にも未だかかっていません。(これはちょっと問題かもしれないのですが・・・)

 

消毒された無菌の水に疑問を持つ事なくほとんどの人が当たり前として生活しているだろうけど、毎日必ず使う水にこだわるって事、とても大切だと思いませんか。

 

さて前置きが長くなりましたが、不定期連載のこのコラムでは自給自足なんでも相談室、ということで皆様からの質問を集めて答えるような形で進めて行こうと思います。
早速田歌舎HPを見た学生たちから集まった質問がありますので、この辺りから少しずつ・・・。

 


水源への道、約400m 3人で20日間手作業で作った道

 

Q.どうやって飲み水は確保していますか?町の水道に頼らなくてもできますか?
Q.シャワーや、料理・洗濯に使う水はどうやって確保していますか。
Q.湧水がたりなくなることはありませんか?

 

日々の飲み水として殺菌せずに利用できる水源は、上流に汚染源のない湧水、井戸、そして限りなく水源に近い沢水ですね。
少し大きな流れの谷や本流の水は洗い物や農業用水としては充分使えますが、飲料水とするには雑菌の量ははるかに多いですし、
上流からの汚染(動物の死骸、不法投棄物など)の不確定要素が多く仮に塩素消毒を行うとしても安全な水とは言えませんね。
一番の理想は一年中枯れることのない湧き水です。できれば台風などの大雨の際にも濁らない水源であれば最高ですね。
それは地中深くから時間をかけて湧き出したことの証しです。当然水質もより安定してます。
そして良い水源が見つかったとして、それを安心して飲用する為にぜひやっておきたい事はやはり水質検査、50項目検査(今ではネット予約で検査キットが送られてきてそれを送り返すだけで簡単にできます。10数万円くらいかな。安く、便利になりました!)です。
大腸菌など菌類が限りなく少なかったとしても、マンガンや鉛などの有毒な鉱物や成分が地中にあって、それらが含まれている事があるのでね、その含有量なども含めて飲用するために必要な検査のすべてが網羅されているから営業用でなくともその検査を受け、飲用に適しているというお墨付きをいただくことは自分自身にとっても大きな安心となります。
ちなみに一般細菌、大腸菌0の生水はありませんよ。どれくらい多いか少ないかを知っておく事ができるって事。
結果菌類が多くて心配だったら飲み水だけは煮沸すれば0になるし、飲み水以外、料理なんかではそのままで全然OKだよね。
(田歌舎の水源でも50項目検査でしっかりと安全を確認ました。鉱物などの有害物質は全て基準値の100分の1以下、菌類も基準値以下、殺菌せずとも法的基準では飲用可能で、公共の井戸登録がされています。
当時の水質検査の方からこれほど良質の水はなかなかない、売れるレベルですよと言ってもらえました。だけど営業用での飲料水には残念ながら塩素消毒が義務付けられているのでレストランの厨房などには塩素消毒機を設置しています。)

 

あとは渇水の時期ですね。豊富な湧水ならばいいのですが、水量が少ない湧水に対してはやっぱり大きな貯水槽が大切ですね。
田歌舎では2000リットルの貯水槽を施設のすぐ側で高さは20数メートルほど高い位置に設置しています。お風呂で大体200リットルですからお風呂10個分の水をストックしているということになります。
日常は一定の水が常に流れ込んできますので、オーバーフロー(余水)が基本あって、それが別のパイプを伝って敷地内の水槽に流れ込んでいて、それが普段の使い水として便利であると同時に、それが止まると、水道のトラブルのサインとして気づく事ができます。
水量が豊富な時期ならばそれはシステムトラブル(取水口が詰まってる、とか)のサインだし、渇水の時期ならば、同時に多くの蛇口が開いていて、入る量以上に使ってるな、って事が分かる。
で「節水しろ~!」って号令がかかるわけです。

 

そんな風な工夫が必要ですね。
一筋程度の流れしかなくても、その水が枯れないかどうかは非常に重要なところで、枯れさえしなければ、貯水のシステムをうまく作れば結構足りるものです。
寝ている間も含めて水を使わない時間って結構あるんだから、そんな間に少しずつ溜っていけば、1日トータルでは相当量になります。
田歌舎の水源も8月の渇水時には水量が乏しくなり、心配な時期もあります。
そんな時期は水の利用が宿泊のお客さん含めて入浴や洗濯などの水の利用が集中しないように時間差をつけて使うなど工夫をしてなんとか凌いでいます。

 

今回はこの辺りで。
次回は電気や動力を使う事なう高低差だけの自然の力で圧力を得る自家水道のノウハウを詳しく紹介しようと思います。